相撲中継やニュースを見ていると、よく「一門(いちもん)」という言葉を耳にします。相撲でよく聞く一門とはなんなのでしょうか。これはその有名な力士の子分ということなのか、どのように世襲されるのか、どういう派閥や決まりがあるのか、さらには一門によって給料も異なるのか。そうした疑問を持つ方のために、今回はこれらの実態について色々な事を調べました。ここからは、大相撲の深い部分にある一門の仕組みについて、徹底的に解説していきます。

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相撲部屋の「一門(いちもん)」とは何か?仕組みと役割を解説
相撲の一門とは、複数の相撲部屋が集まってできた集団(グループ)のことです。単なる有名な力士の子分という単純な上下関係ではなく、師匠から弟子へと受け継がれる師弟関係や人脈で深く繋がり、大相撲の運営や人間関係において強い影響力を持つ「派閥」のような存在です。
一門とは「相撲部屋のグループ・派閥」のこと
相撲部屋の「一門」とは、師匠の系譜(親子関係や兄弟弟子)でつながる部屋の集まりのことを指します。日本相撲協会の定款(ていかん)という大切な決まりの中には一門についての記述はありませんが、古典芸能や囲碁、将棋の世界と同じように、大相撲でも師弟のつながりが強く、歴史的な経緯からいくつかの部屋がグループを作っています。これを相撲界では一門と呼んでいます。江戸時代から続く歴史を持ち、明治時代から明確化され、現在はすべての相撲部屋がいずれかの一門に所属しています。
一門が存在する理由と主な3つの役割(連合稽古・理事選・冠婚葬祭)
一門が存在する最大の理由は、かつての巡業の歴史にあります。昔は関取にも月給がなく、ごひいきのご祝儀や地方巡業の収入で生活していました。その巡業に行くグループが一門であり、当時は「組合」とも呼ばれていました。一門ごとに地方に分かれて巡業に行くため、自然と結びつきが強まりました。
また、読者の皆さんが気になる「一門によって給料も異なるのか」という点ですが、現代においては給料に違いはありません。昭和30年代以降、日本相撲協会から部屋へ直接給与支給が行われるようになり、一門が給料を払う「企業体」としての役割は薄れたからです。しかし、協会から支給される「助成金」は一門を通じて各部屋に分配されるため、お金の流れにおいて一門は今でも重要な役割を果たしています。
現在の一門には、主に3つの大きな役割があります。 1つ目は「日本相撲協会の理事選挙」です。2年に1回行われる理事選では、一門の枠組みで理事が選出されることが多く、各一門は自分たちの代表を理事にするために票を調整します。 2つ目は「冠婚葬祭や助成金の管理」です。冠婚葬祭や年季の付き合いは一門単位で行われ、先述の通り助成金の分配も行います。 3つ目は「連合稽古」です。本場所前などに一門の力士が集まって行う合同稽古は、部屋の枠を超えて切磋琢磨する重要な場となっています。
一門と「一族」の違いは?歴史的背景と現代のシステム
「どのように世襲されるのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。一門は血縁関係のある「一族」とは異なり、師弟関係に基づいた「本家と分家」のようなシステムで継承されていきます。明治維新後、力士が大名の抱えから離れ、部屋への帰属意識が高まる中で、年寄(親方)の出身部屋と独立した自前の部屋との関係が一門の基礎となりました。
かつては部屋の独立性が強くなく、食事や稽古も一門でまとめて行っていましたが、昭和30年代以降、協会による近代化が進み、部屋単位での運営が基本となりました。しかし、年寄名跡(親方株)の継承は一門内で行われるのが望ましいとされるなど、世襲に近い慣習や人的つながりの面で一門の形は継続しています。2018年からはすべての部屋といずれかの親方は必ず一門に所属することが義務付けられており、無所属の部屋は認められないシステムとなっています。

【2025年最新】大相撲の一門はいくつある?5大一門の勢力図一覧
現在、大相撲には5つの一門が存在します。所属する親方の多い順に「出羽海一門」「二所ノ関一門」「時津風一門」「高砂一門」「伊勢ヶ濱一門」の5つです。
現在は「出羽海・二所ノ関・伊勢ヶ濱・高砂・時津風」の5つ
現在の大相撲を構成しているのは、出羽海一門、二所ノ関一門、伊勢ヶ濱一門、高砂一門、時津風一門の5つのグループです。かつては貴乃花一門なども存在しましたが、現在は消滅しており、すべての相撲部屋はこの5つのいずれかに属しています。これにより、角界の勢力図はこの5大一門によって形成されています。
相撲部屋の一門相関図と勢力比率(部屋数・力士数)
各一門の勢力比率を見ると、部屋数や所属親方数に違いがあります。 出羽海一門は、部屋数が14、所属親方数が36と多く、3系統の部屋の集合体として角界最大の勢力を誇ります。 二所ノ関一門は、部屋数が17、所属親方数が28で、戦後すべての世代で看板力士を輩出してきた一大勢力です。 時津風一門は、部屋数が5、所属親方数が17で、4つの系譜の部屋による連合体です。 高砂一門は、部屋数が4、所属親方数が13と比較的少数ですが、伝統的な大部屋を含んでいます。 伊勢ヶ濱一門は、部屋数が5、所属親方数が11で、もとは4系統の部屋の集合体でしたが、現在は3系統が存在しています。
かつて存在した一門と無所属部屋の現在(貴乃花一門など)
過去には、「雷一門」「境川一門」「伊勢ノ海一門」など、多くの一門が存在しました。近年では「貴乃花一門」が記憶に新しいですが、2018年に貴乃花光司さんが一門の名称を返上して脱退したことで消滅しました。また、かつては「無所属」の部屋も存在しましたが、2018年の決定により、現在は無所属での部屋運営は認められていません。貴乃花一門の消滅後、所属していた部屋は他の5つの一門に合流するか、廃業する形となりました。
各一門の特徴と代表的な親方・総帥・横綱
各大相撲一門には、それぞれの歴史や特徴、そして中心となる人物がいます。
出羽海一門(でわのうみ):角界最大勢力の名門と総帥
出羽海一門は、部屋数と力士数ともに多い最大勢力であり、角界の保守本流とも言える存在です。政治で言えば自民党のような存在とも評されます。相撲協会の理事も出羽海一門から多く選出されます。 この一門の総帥は11代出羽海である小城ノ花昭和さんです。また、代表的な親方として13代境川である両国梶之助さんや、11代春日野である栃乃和歌清隆さんがいます。現役の筆頭力士には、立浪部屋の横綱である豊昇龍智勝さんが名を連ねています。
二所ノ関一門(にしょのせき):稀勢の里など人気親方が集う一大派閥
二所ノ関一門は、多くの部屋が所属し、有力な親方や力士が多いのが特徴です。戦後急速に勢力を拡大し、大鵬幸喜さんや初代若乃花幹士さんなど数々の名横綱を輩出してきました。 現在の総帥的存在は、13代二所ノ関である稀勢の里寛さんです。その他にも、12代芝田山である大乃国康さんや、13代佐渡ヶ嶽である琴ノ若晴將さんが所属しています。現役力士では、二所ノ関部屋の横綱である大の里泰輝さんが一門を代表する存在です。

伊勢ヶ濱一門(いせがはま):旧立浪一門と合流した実力派集団
伊勢ヶ濱一門は、もともとは立浪一門と呼ばれていましたが、再編を経て現在の名称になりました。少数精鋭ながら実力派が集まる集団です。 中心人物は10代伊勢ヶ濱である照ノ富士春雄さん(現役横綱兼任の意含む表記、あるいは元旭富士正也さんの9代伊勢ヶ濱の流れ)や、15代浅香山である魁皇博之さんです。また、安治川部屋には新大関である安青錦新大さんが所属しており、活気ある一門となっています。
高砂一門(たかさご):九重部屋などを擁する伝統ある一門
高砂一門は、明治初期に創設された高砂部屋を起源に持つ、最も歴史が古いとされる一門です。高砂部屋を中心とする系統と、九重部屋を中心とする系統の2つで構成されています。 代表的な親方は、8代高砂である朝赤龍太郎さんと、日本相撲協会理事長も務める8代八角である北勝海信芳さんです。現役力士では、高砂部屋の大関である朝乃山広暉さんが看板力士として知られています。
時津風一門(ときつかぜ):双葉山の流れを汲む少数精鋭グループ
時津風一門は、1945年に立浪一門から独立した大横綱の双葉山定次さんが結成した一門です。独自の文化を持つと言われています。 総帥は17代時津風である土佐豊祐哉さんです。その他、12代伊勢ノ海である北勝鬨準人さんなどが所属しています。現役力士では、時津風部屋の大関である正代直也さんや、音羽山部屋の大関である霧島鐵力さんが一門を支えています。
【検索対応】あの有名部屋や親方はどの一門?所属一覧チェック
特定の部屋や親方がどの一門に属しているかは、ファンにとって気になる情報です。ここでは具体的な所属について解説します。
二子山部屋は何一門?(元大関・雅山の部屋)
元大関の雅山哲士さんが師匠を務める現在の二子山部屋(14代)は、「出羽海一門」に所属しています。YouTubeなどでも人気のある部屋ですが、組織としては最大派閥である出羽海一門の一員として活動しています。
宮城野部屋・伊勢ヶ濱部屋の所属一門と再編の動き
宮城野部屋はかつて白鵬翔さんが師匠を務めていましたが、部屋の閉鎖に伴い、所属力士たちは「伊勢ヶ濱一門」の伊勢ヶ濱部屋へ移籍しました。これは伊勢ヶ濱一門の中で話し合った結果です。このように、部屋の閉鎖や合併があった場合でも、基本的には同じ一門内で受け皿を探して移動することになります。
人気力士が所属する部屋の一門早見表
人気力士が所属する部屋の一門をまとめると以下のようになります。 横綱の豊昇龍智勝さんが所属する立浪部屋は「出羽海一門」です。 横綱の大の里泰輝さんが所属する二所ノ関部屋は「二所ノ関一門」です。 横綱の照ノ富士春雄さんが所属する伊勢ヶ濱部屋は「伊勢ヶ濱一門」です。 大関の朝乃山広暉さんが所属する高砂部屋は「高砂一門」です。 大関の正代直也さんが所属する時津風部屋は「時津風一門」です。

相撲協会の理事選と一門の「派閥」としての動き
一門が最も活発に動くのは、日本相撲協会の理事選挙の時期です。どういう派閥や決まりがあるのか、その実態を解説します。
一門の結束が試される「日本相撲協会理事候補選挙」の仕組み
日本相撲協会の理事は10名選ばれますが、この理事選は2年に1回行われます。理事は一門の代表者としての色彩が強く、各一門には親方の人数(有権者数)に応じて「理事になれる枠」が割り当てられる慣習があります。そのため、多くの場合、一門内部での話し合い(談合)によって候補者が決まり、無投票で理事が決まることも珍しくありません。一門は、自分たちの利益を守るために結束して行動します。
一門外への投票や離脱・破門など過去の騒動事例
過去には、一門の調整や談合に反発して選挙が行われた事例もあります。有名なのは2010年の理事選で、貴乃花光司さんが所属していた二所ノ関一門の意向に反して立候補した「貴の乱」です。この時、貴乃花光司さんは一門を離脱し、後に貴乃花一門を設立しました。また、他の一門へ票が流れることや、一門の決定に従わなかった部屋が破門されるなどの騒動も起きています。1998年には高田川部屋が破門された事例もありました。
これからの相撲界における一門のあり方とは
一門制度は、師弟関係や人間関係を基盤とした、大相撲の力関係を支配するシステムです。もし一門がなければ、力士や親方の行動は自由になる反面、規律が失われる可能性もあると言われています。理事選での票の調整や冠婚葬祭、連合稽古などを通じて、一門は現代の角界でも強い影響力を持ち続けており、大相撲という伝統文化を維持・運営していく上で欠かせない文化の一つとなっています。
大相撲の一門とは何なのか?についてのまとめ
- 相撲の一門とは師弟関係で繋がる部屋のグループ・派閥だ。
- 主な役割は協会理事選の票調整や冠婚葬祭、連合稽古である。
- 一門による給料の違いはなく、協会から直接支給される仕組み。
- 血縁の一族とは異なり、師弟関係による本家・分家の継承だ。
- 現在は出羽海・二所ノ関など5つの大きな一門が存在する。
- 最大勢力は出羽海一門で、多くの理事を輩出する名門である。
- 2018年から全親方の一門所属が義務化され無所属は不可。
- 理事選では一門内の談合で候補者を決め、無投票も多い傾向。
- かつての貴乃花一門は消滅し、現在は他の一門へ合流した。
- 一門は角界の規律や運営を支える重要なシステムである。

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